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「虹」第29号

カテゴリ:機関紙『虹』

虹29号

  • 春はめぐって来たが[理事長 河原克美]
  • 特集 ご存じですか?リハビリテーション(2)
  • 特集 イリスもとまち・イリス北8条、イベントレポート
  • 〈お知らせ〉組合員の皆様へ 他

春はめぐって来たが―

ようやく春らしい温かさが訪れてきたと思ったが三日と持たずに冷たい風と雪と雨。道路脇の積雪が溶けきれずに残っており、手付かずの庭は自然積雪に埋もれて、この冬の雪の多さを物語っている。しかし本号が発行される時には庭の片隅にクロッカスの可愛らしい花を目にすることになるだろう。

札幌管区気象台によると、札幌では12月18日正午までの累積降雪量は149cmで平年は12月末で132cm、札幌と旭川の初雪は11月18日で共にそのまま根雪となって、長期積雪開始日の新記録となった。また12月18日正午の自然積雪の深さは札幌の69cmで平年より28cm深く、旭川でも平年より28cm深かったとの事である。
その後も寒気と降雪の日が繰り返し訪れ、特にオホーツク、道東地方で二月も三月も波状的な暴風雪が繰り返され、強烈な風雪の吹き溜りも絡んでホワイトアウトにより車両の多重事故が多発、動きのとれない車内や車から降りて歩き始めて動けなくなり、命を落とすという悲しい事故が多発した。

政治の局面も荒れている。新しい日銀総裁初参加の金融政策決定会は新しい金融緩和政策を決定した。すでに、いわゆるアベノミクスとやらに釣られて円安による輸入品目は国内で価格上昇となりガス・ガソリン・電気料金引上げが始まり、小麦・食糧油など生活必需品の価格も上がる事態となっている。
一年後、消費税率が8%になろうとしているが本来一体で進められる筈の社会保障制度の改革が打ち出されていない。消費税が始まった時、さらに5%に引き上げた時も社会保障の財源に充てると言っていたが、法人所得税率の引き下げや「租税特別措置」で増税分を食い潰す結果になったではないか。
一方で環太平洋連携協定(TPP)参加への首相の執念はオバマ大統領との会談で「例外はある」と大統領が認めた、と言い参加反対の国民を欺こうとさえして来た。

福島原発の大事故の後始末はおろか終りのない冷却水のタンク保管が続く状況下で、原子力規制委員会は四月三日、原子炉等規制法で「40年に達した原子炉は原則として廃炉」と決めてあるが「新安全基準」に適合していることを条件に一回に限り最大20年の延長を認める」という「運転延長認可制」を了承した――と報道された。
問題は核物質は人類の叡智と技術で無害にすることが出来ず、いかなる安全基準を作っても日本列島至るところ活断層があり、「安全」は有り得ないと判断すべきだが、福島の事故を率直に受けとめる意志はいささかも無い。原発は「奇麗で安い」など言語道断である。未来の人々に放射能に汚染されて逃げ場のない地球を残してはならない。思考のベクトルを転換すべきである。
本誌前号で触れた安倍首相に代表される平和憲法を廃する動向への危惧は測り知れない。

【憲法第99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負う。】

現実の改憲への行動はこの条文に反しているのではないか。

世界的に有名なアメリカの言語学者ノウム・チョムスキーはアメリカの現実社会を次のように指摘している。
民主主義の現状は=政治指導者は民衆を「何が自分たちの最善の利益か判断できないほどのバカ」と見なしている。政治指導者は民主主義を「財力も権力もあるエリートのための都合のいい便益」ととらえている。政治指導者は「国家の運営は国家を所有している人々に任せておけばいい」と考えている。
政治とは=選挙や民主主義とは関係ないものだ。お金持ちの投資家連中が互いに国(や地球や宇宙までも)の支配権を手に入れようと競い合う中で、そうした利害のぶつかりあいを調整する手続きにほかならない。
メディアとは=マス・メディアはPR(大衆宣撫)産業と大差ない。究極的には財力や権力を持つ者たちを支える道具になっている。「国民を調教して」支配階級にチンピラどもを善意と高徳の人たちだと信じさせる作業がメディアの仕事になっている。(『チョムスキー』デイヴィッド・コグズウェル著/佐藤雅彦訳)
わが日本はどうだろう。私には日本も相当似ているように思えてならない。

進学の 知らせ独りで 美酒に酔い

(文)理事長 河原克美