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「虹」第31号

カテゴリ:機関紙『虹』

虹31号

  • 報道の自由度と福島原発事故[理事長 河原克美]
  • イベントレポート(イリスもとまち・イリス北8条・イリス南郷通)
  • シリーズ 生涯現役(7)
  • 〈お知らせ〉空室情報 他

[お詫びと訂正]
本号の記事に一部誤りがございました。訂正してお詫び申し上げます。
(7ページ)「空室のご案内」
・(誤)住宅型有料老人ホーム|イリス北8条…3室、サービス付き高齢者向け住宅|イリス南郷通…3室
・(正)住宅型有料老人ホーム|イリス北8条…1室、サービス付き高齢者向け住宅|イリス南郷通…1室
(8ページ)スケジュール
・(誤)11月18-20日「いきいき福祉・健康フェア2013」
・(正)10月18-20日「いきいき福祉・健康フェア2013」

報道の自由度と福島原発事故

今年の夏の日本列島は高温で6・7月の降雨は歴史的な最低記録であったが8月に入ると北海道の上空に高気圧の端がかかって、そこに南からの温暖湿潤な高気圧が入り込み一転して前年比37%増の降水量となった。道内各地は局地的な豪雨が発生し被害が各所に及んだ。更に内地の方で発生した竜巻も、千歳・恵庭・苫小牧など北海道でも発生する状態であった。

今年のこの現象を異常気象と言っても何となく常態化するのではないかと思っていたところ9月27日、国連の気候変動パネルが、人間の活動を原因とする地球温暖化が異常気象や雪氷融解など地球上にさまざまな異常をもたらして、今世紀末に平均気温は4.8℃、海面水位は最大82cm上昇すると発表した。はからずも今年の夏の現象が常態化していくことを示唆しているようである。

異常現象は人間社会でさまざまな形で発生している。2020年のオリンピック開催地が東京と決まった。その国際オリンピック委員会総会で日本の首相は不安を払拭しようとしてか「コントロールされている。解決に向けたプログラムを決定し既に着手した」と述べたと報道された。福島第一原発の汚染水の海洋流出の事であるがこれは虚言である。慌てて政府は汚染水が海洋に流出している事実を認めた上で「放射性物質が問題ないレベルに収まっている、という意味だ」と首相発言を翻訳する始末であった。

昨年夏に逝去した家内の微力な参加を引き継いだ「NPO法人 チェルノブイリへのかけはし」から7月21日付け機関誌が届いた。「福島県民の健康調査はなぜ報道されないの?小児甲状腺がん発症増加中!」平成23年検査で対象40,302名中12名が発症。平成24年は対象137,000人中16名が発症。小児甲状腺がんは自然界で100万人に1人しか発症しないとされているがこの検査結果は23年は3,359人に1人、24年は8,130人に1人という驚くばかりの高い発症率になっている。

このNPOは、廃校になった留寿都村の学校を活用して福島の子供と母親を招いて夏季3週間、保養する活動をしている。「留寿都村に迎えたお母さんと子供たちは目の下の隈、鼻血、血尿、口内炎、脱毛、アトピー性皮膚炎の悪化、喉や呼吸の違和感、心臓が痛い、などさまざまな体調不良を抱えていました。明らかに原発の事故以来体調がおかしい。3週間の保養で少しでも放射能を体から出してあげたい」「3週間の保養で清浄な空気の中で清浄な食事に恵まれ、3週後には目に見えて回復した姿を見送っているのです」「ふるさとは、はだしでは歩けない/復興のために子供たちは汚染地に住まわされる/チェルノブイリで除染に成功して、復興した街はない」(以上、7月21日機関誌より)

「国境なき記者団」というNGOがある。言論の自由、報道の自由を擁護するために1985年パリに設立されたジャーナリストによる非政府組織で世界に130の支部を配し、(1) 報道の自由の監視と警告  (2) 取材国で拘束されたジャーナリストの家族への支援、そして(1)の活動の一端として毎年世界各国の報道の自由度をランキングで発表しているが、今年は5月30日に発表された。日本は「透明性に欠ける」などから昨年の22位から大幅に順位を下げ53位とされた。リポートは「福島原発事故に関わる情報へのアクセスが極端に制限され透明性を欠いている」とその理由を述べている。

本誌29号でも引用したが世界的に著名な言語学者、アメリカのノーム・チョムスキーは次のように言っている。「マス・メディアはPR(大衆宣撫)産業と大差ない。究極的には財力や権力を持つ者たちを支える道具になっている。国民を調教して支配階級にチンピラどもを善意と高億の人たちだと信じさせる作業がメディアの仕事になっている」(『チョムスキー』ディヴィッド・コグズウェル著/佐藤雅彦訳)。ちなみに報道自由度ランキングのベスト10はトップのフィンランド以下順にオランダ、ノルウェー、ルクセンブルグ、アンドラ、デンマーク、リヒテンシュタイン、ニュージーランド、アイスランド、スウェーデン、となっており、アメリカ32位、ロシア148位、中国173位、北朝鮮178位、最後179位はエリトリアとなっている。

「もともと自然界で100万人に1人しか発症しない小児甲状腺がん。チェルノブイリでも多発し、また、福島県でもこんなに激増し、そして報道されない」(前出7/21付機関誌)

現在はどうなのか、そして問題を克服する道は――近く福島県生協連を訪問する北海道生協虹友会「交流と視察in福島」のひとりとして私の課題にしなければと思っている。

藻岩山 色づき染めて 秋闌(た)ける

(文)理事長 河原克美