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「虹」第36号

カテゴリ:機関紙『虹』

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2014年のわが国のGDPは前年比5%減となった。消費税増税で家計にゆとりのない低所得の人たちの購買力低下、米ドルに対する日本の円は120円台まで低下して輸入品の高騰で中小企業に少なからぬ打撃を与えた。

集団的自衛権の閣議での解釈決定は、日本を同盟国とともに戦争する国に道を開く出来事であった。「自衛隊の海外拠点強化」の見出しで「アフリカ東部のジプチに海賊対策で設けた自衛隊拠点について、防衛省が中東有事での哨戒機派遣など多目的に使えるような施設の強化を検討していることが防衛省関係者への取材でわかった。長期間の使用前提で、中東・アフリカの活動拠点として新たに位置づける」(『朝日新聞』1月19日朝刊)。これは平和憲法下で戦争する国への済し崩し的暴挙ではないか。まさに安保法制の転換によって自衛隊の海外任務を拡大することを見越した動きであろう。

福島原発事故の被害者補償は歩みが遅い。原発再稼働を狙っての電力会社、政府とその機関。電力会社は再生可能電力の全量買取の道を塞いで「強制」を解いた。露骨な嫌がらせある。

福島原発事故で発生した指定廃棄物最終処理場は群馬県塩谷町の国有林とすることに政府(環境省)は決定し見方和久町長に申し入れたが、町長は受け入れを拒否している。放射能汚染土などで受け容れ拒否。使用済みも含め核燃料の最終処分場を受け入れる所を探すなどどう考えても気の遠くなる話である。それでも原発をやめようとしない無神経さには驚くばかりである。

翻って「税と社会保障の一体改革」はどこへ行ったのか。消費税は10%まで引き上げる――社会保障の財源にするだろうと、多くの国民が期待したが見事に裏切られた。財源不足だというのに法人税実効税率の引き下げ方針は実行確実である。高齢者福祉を任務とする本生協にも関わる問題だが、介護報酬の引き下げは確定的な政府の方針である。

2012年、国連が定めた国際協同組合年日本の実行委員長を務められた経済評論家、内橋克人さんは次のように指摘している。「現在の状況は昭和恐慌の時に高橋是清蔵相がとったリフレ政策と同じです。実体は経済の軍需化でした。アベノミクスの行く先も同じです。安倍式「成長戦略」路線で行けば、市場で売れなくても大企業が利益を得られる構造――公共事業、軍需産業、原発です。安倍首相は思想的同調者を周りに集め、その意見を民意と錯覚しています」と。

国民はこのような政権に甘んじておられない筈である。

あさまだき 深雪漕いで 息を継ぐ

(文)特別顧問 河原克美