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「虹」第38号

カテゴリ:機関紙『虹』

  • 年頭に[理事長 小松徹人]
  • 特集 医療福祉生協連に加盟しました
  • 回想録から~
  • 種種道楽
  • スタッフ紹介
  • 〈お知らせ〉空室情報 他

年頭に

法人の意思決定において、左を選択した方が、右を選択するより少しでも勝るということなら、迷う幹部職員はほとんどいないでしょう。損得を中心に据えると、誰が考えても選択肢が拮抗することがあります。ましてや左右どちらを選択しても、好ましくない未来が予測される場合、意思決定は望ましくない状況に陥ることがあります。そういう時に、法人独自の正義が優先され、誰もが普通に思う正義や常識が置き去りなることもあるでしょう。

少し前になりますが、ワクチンなどを製造している財団が、国の承認とは異なる方法で血液製剤を製造し、40年にわたり組織的に隠蔽を図ってきた、というニュースを耳にしました。続いて、匿名を条件に取材に応じた幹部の話が放映されました。

「不正を解消すれば製品の出荷が滞る可能性が有り、過去3度不正を解消するチャンスはあったが、正す勇気がなく、後悔の気持ちでいっぱいだ」との話だったと思います。「勇気を奮い起こすことができなかった」という言葉は、さまざまな背景はあるものの、この事件の本質に迫ったものだと感じました。

今年になって早々、私自身忘れていた当生協の「自主行動基準」を、あらためて読む機会がありました。そこには「不利益な事実を隠蔽しないようにします」と書いてあります。

当生協は、設立からこの一月でちょうど十年を迎えます。遠い未来も健全に継続し続ける、風通しの良い組織文化を熟成させる必要があります。そのためにも、過去をよくよく振り返って棚卸しをしつつ、未来に向けて出発する年にしたい。そして誰か個人の「勇気を奮い起こす」ことに依存するのではなく、私を含め皆が、「ルールを守ることが当たり前」となる組織であり続けたいと思いました。

(文)理事長 小松徹人